【2号機】イス

エアクラフトオリンポス様よりリカンベントシートをご提供いただきました。こちらを使って座席を作っていきます。

 

まず思ったよりシートが大きく、後ろすぎると胴体に、前すぎると操縦桿に干渉します。これが最初から使える前提ならもっと操縦桿を前にしていましたが、仕方がないのでイスの前後位置はほとんど動かさないこととして前後バラストで重心を調整しましょう。

 

このような感じでラフにサイズを決めます。材はストックとして残ってあった2.3mmのラワンベニヤと9mm角のヒノキ棒で行きます。

 

9mm角ヒノキの圧縮強度は1本あたり267kgありますので、4本で終極1トンまで耐えられます。ドン着で4G×安全率1.5が評定荷重なので100kgのパイロット(おそらくシートに入らない)でも肉余りですがちゃちゃっと作るため諦めます。これにて設計が終わったので作っていきます。

 

下面のラインをいい感じになぞる

まず側面板を作るため段ボールでシート下面のラインを大体作ります。

 

テープでもうちょい精度をあげる

次にテープを貼ったりしてもうちょっと正確な曲線を作ってあげます。これで型紙が出来たので、側面板が切り出せます。

 

軸材は側面板に直接罫書きして接着します。微調整は硬化後にカンナで

 

前後面は幅を船に合わせるため現物合わせで行います。

 

ここでシートを乗せてみます。人間を座らせればたわんで壁に密着してくれますが、そのまま置いただけでは微妙にフィットしません。シート側の接着部はガラスマット(多分#450)で厚みを持たせ、チクチクしないよう上からGFクロス(多分#100,マイクログラスでも良かったけど端材があったからこっちにした、コシが強くて若干浮いたことが後悔)を貼っています。ハンドレイアップしたところに一次接着します。圧着はシートに座って一晩過ごすつもりでしたが、作業場を開けないといけない事情があったためやむを得ずラッシングでぐるぐるまきにして帰りました。

 

しかしそれが良くなかったのです。微妙に接着位置がズレてしまい、せっかくいただいたシートだったのですがほんのちょっと左に傾いて取り付いてしましました。機体の慣性モーメントに比べて誤差みたいなものかとは思いますが、地上で座るとほんの少し違和感があります。スローハードナーだったので翌日のまだベタつきがある間にバルーンでフィレットとフィットしていなかったところを充填しました。

 

まだ微妙な追加工はありますが、一旦こちらで完成です。

【2号機】仮組み立て試験

先日プライマリーグライダーkiss the skyの組み立て試験を行いました。目標は完全なるフライアブル状態でしたが、残念ながら作業が間に合わずいくつかの未完成部分が残っている状態での接合確認となりました。

全貌

もともとこの機体は建物から出すために最大長が2.8m+ちょっとぐらいになるように作られています。このようにして階段から運び出しました⤵️

①ちょっと立てる

②歳差運動でねじり込む

③これを作業場のある5階から地上まで10回繰り返す

 

この時点であとやり残している作業は

・エルロンヒンジ取り付け

・ラダーペダル、牽引フック

・胴体下面クローズ

・テール後部トラス布張り

・ラダー補剛ワイヤー張り

・ラダー、エレベーター、エルロン翼内のリンケージワイヤー

 

です。完成まではもうしばらくかかりそうです。

 

また、組み立て試験で見つかった不具合をメモ代わりにおいておきます。こちらも完成までに要改修項目です。

・翼端が擦るとき、特に後縁側が当たるためエルロンを斜めに切り欠くかアウトリガーを付ける

・強度区分12.9のボルト+Rピンを接合ピンとして用いたが、ネジ山が突っかかって抜き差しに苦労するため、多少高くなるが先端テーパーのピンを用意する

・脚の横方向強度、剛性はジュラプレートを接着積層して厚みをかさ増ししていたが、弾性タイプの接着剤ではないため移動時の振動で接着が剥がれてしまった。このままでは不適合なので、厚みのある材から削り出しでスイングアームを作りなおす。

・胴体船トラス、前脚周辺は牽引ロープが絡まる可能性があるため、トラス部は簡易なフィルムで被覆し前脚にはフェアリングを取り付ける。その際マジックテープ等で着脱可能(容易である必要はない)な仕様にする。

・その他接合部で前後左右に遊びの余地があるところはスペーサーで埋める。また、今後製作する全ての金具は評定荷重の30%の横方向荷重にも耐えられることを確認する(馬場敏治『航空機の設計 ー航空学再入門ー』)

・頭下げ操舵時にラダーを左に操作するとホーンの頭とラダーDボックスが干渉するため、エレベホーンをブーメラン形状で再製作

・背中当てを適当な材料で作る

・主脚サスピボットのピンがバルクヘッドと干渉して抜けないためマウントアングルを作り直す

 

 

主脚周り

これは主脚です。実際はスイングはもっと分厚いです。最初は接着+リベットで圧着&フェイルセーフしながら厚みを継ぐ予定でしたが、手元にあるリベットは簡易なブラインドリベットで、そこまで強度が期待出来ないということ、そもそも圧着が難しい構造でもないということで接着のみにしていました。ここは改めて作り直します。前輪のスイングアームも同様です。また、前輪側はゴムを引張で使っているのですが、BD1の折りたたみ自転車のような形状でサスペンションを使えないか検討中です。
また、公式からブレーキユニットが供給されていないアズサ4インチホイール用のディスクブレーキマウントがいい感じに使えそうなので、後日アズサホイール公式に確認を取ったうえで、可能でしたら図面と強度計算書をまとめてアップロードします。

 

そんなこんなで組み立て試験が終了し、その後は作業場の使用期限である5月31日までに原状回復を済ませ、機体は現在鳥人間サークルの作業場に仮置きさせていただいています。

 

作業スピードは以前より落ちてしまいますが、ほとんど仕上げ工程のようなものなので地道に進めていきたいです。出来れば夏の間には完成させて飛ばしたいところですが・・・

【2号機進捗】胴体完成&主翼リブ取り付け

胴体

えーと、更新が滞りすぎて何をどこまで書いたのやらですが、確か金具用の板とかを発注したところまでだったはずです。

その後、なんやかんや朝から晩まで作業を続ける日々を越え、ご覧のような上部胴体とテールがつきました。

上部胴体はちょっと設計がびみょかったので作り変えられる余裕があれば作り変えたいです。というのも、トラスを組んだパイプがなぜかΦ12で設計されており、一応これは主翼マウントとの干渉やらなんやらを考慮した結果ではあるのですが、その結果座屈がヘボすぎるために支柱がついてしまっています。それならΦ16とかで基本形を作って、マウント周辺だけ接着+リベットで継いでΦ12にすれば良かったのでは?いつも後悔の連続です。

 

テールの方はまあそんなに言うことはないですね。上部胴体が無駄に手こずって6日ぐらい費やしたのに対し、こっちは平面トラスなのもあり2日もしないで完成しました。素晴らしい。

 

 

まずはエンドリブと中央の強化リブ、後ろ桁を付ける

で、その後は作った金具を尾翼やら主翼やらに取り付けていき、いよいよリブ取り付けにかかりました。主翼にリブがついてしまうと、ただでさえ狭い作業場の空間が一気に圧迫されるため、この作業が始まったということはいよいよ完成に向けた最後のピースを埋めに入ったということです。

まずはエンドリブをしっかり角度を見ながら接着し、それを基準に後ろ桁と翼根リブ、トラスリブを取り付けます。今回は作業場が小さく翼を繋げながらの迎角合わせが出来ません。そのため、各分割翼の中での相対的な角度を記録し、それを一致させるように微調整します。その後に、ノーマルリブの取り付けです。ちなみにここまでで大体6時間ぐらいかかります。サラッと書いてますが後ろ桁の取り付けとか、トラスリブの接着面出しとか、補強隅木入れとか、地味に面倒なのです。

リブキャップ貼り

で、リブがついたらリブキャップです。ベニヤから15mm幅で切り出し(後ろ桁キャップは20mm幅)、まずは後ろ桁に接着、その後プランクと後ろ桁キャップのリブ位置でスカーフを作り、不要な部分をカット、同時にリブキャップも両端をスカーフして、ようやく接着です。この作業も翼を片面やるだけで4時間ほどかかります。で、裏返してまた4時間、さらに翼は3分割なのでリブ接着が12時間加わり、そしてリブキャップが16時間・・・この作業で今年のゴールデンウィークは消えました。

最終盤に名古屋へ就職した先輩が加勢してくださり、最後の2面は驚くほどすぐに終わりました。単調な作業なので人手があれば並行して進められるということですね。

 

 

そんなところで、3翼分のリブ接着までが完了しました。5月9日現在、残す作業は、

・ストラット取り付け

・後ろ桁結合金具取り付け(全組み試験時に実施)

・イス製作

・主脚製作(金具が不足したので発注して届き待ち、木で適当にモックを作る)

・前脚製作(部品揃い済)

・エルロンヒンジアラインメント

・操舵系統(ワイヤー張りはオーラス、桿とエルロンチューブ、プーリ―を仕上げる)

・船下面のクローズ(主脚→エレベワイヤー張り→閉じてヨシ)

・各種フィルム張り

 

設計が必要なところはもう残っていません。脚なども色々迷走しながらも完全に解答が出たので、あとは作るのみです。全組み試験は5月23日の予定です。次の更新が結果の報告になるかと思われます。

プライマリーグライダーkiss the sky :三面図/諸元

 

プライマリーグライダー kiss the sky

諸元

全長 4.5 m

全幅 8.4 m

全高 1.5 m

空虚重量 45 kg

最大離陸重量 115 kg

失速速度 40 km/h

最大速度 80 km/h

アスペクト比 6.4

滑空比 10.7  at 50km/h

 

 

 

 

 

『折紙物語』と『絵羽模様』に見る白石紬とエミリー スチュアートの相互主体形成

1章 緒言

『アイドルマスター ミリオンライブ!』における楽曲は、キャラクターの内面や対人関係を抽象的に表現するテクストとして機能していると考えられます。とりわけ、エミリー スチュアートの『君だけの欠片』および白石紬の『さかしまの言葉』、さらにそれに続く『折紙物語』『絵羽模様』の楽曲群は、両者の内面の変化を考察することが出来る非常に重要な一次資料です。

特に後者の2曲について楽曲を個別に分析した場合、エミリーと紬はそれぞれ独立に、日常の経験や他者との関わりを肯定的に捉える人生観へと至っているように見えます。しかしながら、この一致は果たして偶然の産物として理解されるべきなのでしょうか。

そこで本稿では、『折紙物語』及び『絵羽模様』において確認される両者の思想的共通性が、『君だけの欠片』と『さかしまの言葉』に見られる非対称的関係性を出発点とした相互作用の結果として形成されたものであるという仮説を提唱し、さらにその先にある相同性の萌芽を指摘することを目的として、これの記述を試みます。

 

―目次―

1章 緒言

2章 君だけの欠片/さかしまの言葉時点での関係性の振り返り

3章 折紙物語/絵羽模様の考察

4章 相互作用による相似性獲得過程の分析と相同性の萌芽

5章 まとめ、おわりに

 

 

以前のレポートと同様に、本稿での議論は以下の前提を踏まえて行います。

 

・これらの楽曲がキャラクターの内面を抽象化して表現しているものとする

・各キャラクターの分析は曲内の情報が一般的に認知されている人格と矛盾しないことを確かめながら行う。

・ゲーム本編のやり取りやライブ演出などは一次情報たりうるが、議論の簡単のため詳細な掘り下げは行わない。しかしながら、折紙物語、絵羽模様は明らかに両曲の関係性が公式に強調されているため、周辺情報が仮説を補強することは十分に有り得る。

・推論の結果はあくまでも、論理的に可能かもしれない感情的に納得できる範囲での解釈となる。

 

ー以前のレポートー

nanaplaza-nep.hatenablog.com

 

 

2章 君だけの欠片/さかしまの言葉時点での関係性の振り返り

 

君だけの欠片、さかしまの言葉は両者の人格を分析するうえで象徴的な役割を果たしています。詳細は以前にも述べましたが、改めて簡単にその内容を振り返り、ここを議論の出発点とします。

 

君だけの欠片においてエミリーは、君の経験する全ての事柄(痛み、涙、悩みなど)が君だけの欠片となり、あなたを形作っている、君と過ごした私の時間も欠片となって自分を作っている、そして私もあなたの欠片になりたいという純粋な善意を歌っていました。

さかしまの言葉における紬は、善意を受け入れる素直な心を持ってはいるものの、特定の相手に対しては自尊心を守るために表現出来ませんでした。そしてその相手とは、彼女が対等でありたいと願うものの、現状ではまだ及ばない存在です。素直になることは敗北を認めることであり、相手の前で弱くなる自分を受け入れられないためにさかしまの言葉を紡いでしまうのでした。

ここまでは歌詞の内容からある意味で必然的に導かれる個々のパーソナリティでしたが、前説(『さかしまの言葉』を『君だけの欠片』のアンサーソングとして読む)ではさらにここから、さかしまの言葉が君だけの欠片に呼応しているという説を提唱しました。

エミリーの包み込むような善意は歪な心を自覚する紬にとって十分尊敬に値する純粋さであり、ひるがえって葛藤と自己否定の要因となってしまいます。そして自己像の崩壊を予期した時、防衛としてさかしまの言葉が出てしまうのです。君だけの欠片が提示した“あなたはそのままで価値がある”というメッセージに対し、さかしまの言葉では “それを受け入れるには、私はまだ素直になりきれない”という葛藤、戸惑いの中で終わっていました。

 

 

3章 折紙物語/絵羽模様の考察

 では次に、この両曲についてまずは別々に考察をしましょう。

 

ー折紙物語の場合ー

 大筋として、以下のようなテーマが読み取れます。

 

  • 成長と自己実現

小さな努力や経験(綿羽)が折り重なり、やがて自分らしく羽ばたく

私だって太陽のように → 周囲に光や希望を与えられる象徴になりたいという願望

 

  • 時間の流れ

※時をかけてゆるり碧く染め上げては → 急がずじっくり時間をかけて育む

※大切に胸にしまってゆくの 開くのは全て出来上がったら → 経験の蓄積

※水になりましょう 大地になりましょう あなたは言った濁しても構わないと → 変化や柔軟さ、受容の姿勢

(※『折紙物語』より引用)

まとめると、日常の小さな経験を積み重ね、自分だけの人生を作り上げる、そして自分を育て、愛してくれた人や世界に対して光を放つ存在になりたいという曲です。

個別の表現を分析してみましょう。

 

“千の綿羽” → 千羽鶴のように積み重なる、しかし綿羽なので軽い(小さな出来事)

“太陽” → 周囲への影響力、暖かさ

“さざなみが心地良い” → さざなみは心の小さなゆらぎあるいは他人との関わり、その両方。良い面も悪い面も含めて気持ちが良いと、胸にしまったものの価値を感じている

“きっと誰か羽を広げたんでしょう” → 羽を広げる事は自己実現などを象徴していた。自分の存在が他者に影響を与えたという期待

“柔らかな指先~線をなぞるように” → 記憶をなぞり反芻している

 

また、この曲には一点不思議な箇所があります。2番のAメロ部分です。

※大切に胸にしまってゆくの

開くのは 全て出来上がったら

さざ波はとても心地良くって

きっと誰か羽を広げたんでしょう

(※『折紙物語』より引用)

この部分だけで、経験の蓄積、内面の成熟、他者への影響という歌詞の大意をなぞっています。これは、あえてフラクタルな構造にすることで、何かしらの意図を含ませていると考えられるのではないでしょうか。フラクタル、意味としては自己相似性ですが、普遍性という解釈が近そうです。すなわち、小さな経験も人生の流れも同じ原理に基づいており、日常の些細な瞬間にこそ本質が宿っているということを示しています。総じて彼女は、小さな日常の尊さを大切にし、自己成長へとつなげています。

 

ー絵羽模様の場合ー

 こちらも曲全体のテーマとして、経験や出会いが人生を色付かせる要素となって、いずれ壮大な絵羽模様として完成されるという考えがあり、そのためにエミリーは主体的に人生を進めていきます。これを補強する詳細を見ていきましょう。

 

※色鮮やかな未来 美しくほら広がっている

世界にひとつの絵羽模様

だれかと語って あなたと笑って 紡いできた日々のきらめき

※花鳥風月 めぐるあらゆる姿 描いてもいい

加えてひと筆 夢模様

言えずにまなざし 誤解でとまどい そんな季節も彩りへと

※少しずつ少しずつ 仕立てられてた

重なった糸は今日までの物語

 

これまでの経験が色となり、他者との関わりが糸や模様を織りなして、自分という絵羽模様が描かれるという文脈です。

 

※すれ違った ふっと それきりの人もいて

※袖振り合った縁が導いたの

袖触り合うも他生の縁という言葉があります。袖がほんの少し当たるぐらいの小さな出来ことでも、前世からの深いつながりがあったからかもしれない、だから小さな縁も大事にしましょうという言葉です(『侠気乱舞』にも似たようなフレーズが登場しますね)。これらの節では、経験が些細なことであったとしてもそれが大事であると考えていることが伺えます。

 

※そう 初めから出来上がりが見えたわけじゃない

まっさらな白生地へと夢を下絵のように

※少しずつ少しずつ 仕上げてたのは

つたなくても歩き続けた情熱

※いつもわたしらしく染まってたいな

まほろば色 まとって

(※『絵羽模様』より引用)

これらからは、人生の行く先は最初から決まっているわけではなく、自分で作り上げていくというエミリーの主体性が読み取れます。まほろばとは理想郷のような意味ですが、まほろば色と纏うというのは、ありとあらゆる経験を肯定する真に自分らしい人生に至った状態ということでしょうか。

 

 そして次に、エミリーがこの考えを持つに至った経緯を紐解きたいところですが、そもそも、君だけの欠片の時点でエミリーは他者との経験を欠片として受け取り、自身の成長に繋げられるということを知っていました。この考え方が思想の種となり、主体的な選択によって蓄積された経験や出会い(=色=糸=欠片)が集まって人生を形作っているという絵羽模様のメッセージへと昇華していくことは必然の帰結です。

 

以上の考察から、折紙物語/絵羽模様の時点で両者には人生観において決定的な相似性が発現していることが分かります。すなわち、日本文化に憧れる英国人のエミリーと、呉服屋で生まれ日本文化の本質を身につけている紬という、異なるルーツを持つ少女たちが、君だけの欠片/さかしまの言葉の時点では非対称的だった人格を経て同じ考えを持つように至っているのです。

 

 

4章 相互作用による相似性獲得過程の分析と相同性の萌芽

 以上のようにして、折紙物語と絵羽模様は小さな要素の蓄積によって自己が形成されるという同一のモデルを共有していました。これは単なる構造的類似と呼べるのでしょうか。確かに、君だけの欠片/さかしまの言葉と折紙物語/絵羽模様、これらの楽曲間には明示的な時間的連続性が描かれているわけではありません。したがって、同一人物における認識の変化としてこれらの楽曲を捉える時、そこに至る過程はテクスト外において仮定されるものとし、本節ではその変化を逆説的に検討することで、彼女たちの相互作用によって相似性獲得に至るプロセスの検討を行います。

 

ー紬が折紙物語に至るプロセスとエミリーの役割ー

折紙物語における紬の思想形成を整理すると、ポイントは経験を内面化し、自己成長や人生観として昇華していることです。段階を追って言語化してみましょう。

1.紬が受け取ったもの:エミリーからの欠片

君だけの欠片での好意や善意は、他者との関わりを自己物語に昇華する思想の種となります。これらは紬にとって、素直に受け止められないものもありましたが(さかしまの言葉の葛藤)、全ては内面で欠片(綿羽)として蓄積されていきます。

2.内面化のプロセス

紬は自らの経験(さかしまの言葉における不器用な反応や戸惑い)と、エミリーの与えた欠片を折り重ねるように胸にしまいます。ちなみに折り重ねという行為は、文字通り折紙=経験を折りたたみ、積み重ねる比喩として折紙物語中で機能しています。

3.自己成長・人生観の形成

このように内面化された欠片や経験が、紬自身の価値観や人生観を形成する素材となります。「小さな日常の尊さを大事にし、自分を育て愛する人や世界に光を放つ存在になる」という思想を内面化できたのは、エミリーという「欠片を与えてくれる他者」が存在し、その思想の種(これもまた欠片)を受け取ったからと言えるでしょう。

 

ーエミリーが絵羽模様に至るプロセスと紬の役割ー

1.君だけの欠片の段階

エミリーは「他者の経験や感情を自分の欠片として受け取り、自己成長に繋げられる」という思想の芽を持っています。

2.さかしまの言葉の段階

紬からの非対称的なアウトプット(言葉や行動)を受け取り、自身の内面に取り込むことで、この思想を実感・体験として具体化できました。成功も失敗も含め、他者との関わり全てが自身の欠片として吸収される過程をここで経ました。

3.絵羽模様の段階

ここに至って、これまでの二人のやり取りや経験が、人生を彩る「色」として統合されました。良いことも悪いことも含め、全てが自己物語として完成され、他者との関わりが人生の構成要素として肯定的に位置づけられているのです。君だけの欠片で持っていた芽が拡張・体系化したものが絵羽模様で歌われている内容になります。

 

ここで、エミリーから紬への影響は明確に感じることが出来ますが、紬からエミリーの影響はやや暗示的と思えるかもしれません。しかしながら、紬の不器用さ(拒絶に近いかもしれない)があったからこそ、エミリーの人生観は、主体的な選択という概念を再確認するのです。エミリーがすれ違いを含む他者関係を経ていることは、歌詞中に何度か表現されていますが、それが無くとも曲中から読み取れる彼女の主体性という点が、またその証拠となるのです。また、本稿では曲中の情報のみをメインで分析してはいますが、一点だけそこを逸脱して紬がエミリーに何かを与える決定的な瞬間を挙げたく思います。両曲が収録されているTHE IDOLM@STER MILLION LIVE! M@STER SPARKLE2 04のジャケットイラストです。襷掛けに苦戦するエミリーに、紬が手ほどきをしている(ちなみにこの時、エミリーは正座が崩れている)描写は、二人の授受関係がエミリー→紬という一方的なものではないことを示唆しています。

つまり、絵羽模様は君だけの欠片/さかしまの言葉という非対称関係を経た思想の集大成であり、紬の存在があったからこそ、エミリーはこの思想を具体的に自覚できたとも言えます。そして同時に、紬はそんなエミリーの欠片を蓄積し続けた結果、同じ構造を持つ主体へと収束したのです。過程描写の欠如というのは、それによって両者の思想形成の相互作用が否定されるものではなく、むしろその過程が内面化され、人格の水面下に沈むほどに深く大事な経験として根付いていることの証であると私は考えています。

 

ここまでは、折紙物語/絵羽模様に至る時間について分析してきました。彼女たちはお互いの存在や関係性の上に同一の思考モデルを持つに至り、これこそが彼女たちの持つ相似性と言えるでしょう。そして彼女たちはさらなる未来へと向かっていきます。それぞれの人生で得た一つ一つの経験を積み重ね、自分だけの絵羽模様、あるいは折紙物語を作り上げていくのです。出会いは非対称だった彼女たちが、相似性を持つ関係となり、さらにそこを起点として相同的な存在へと変化していく、美しい構造的変遷をこれらの楽曲から読み取ることが出来ました。

 

 

5章 まとめ、おわりに

本稿の主題は、『絵羽模様』および『折紙物語』において両者が共通の人生観に至っていることを確認する。そしてこの一致が、独立に生じたものではなく、『君だけの欠片』と『さかしまの言葉』における非対称的関係性を出発点とした両者の相互作用によって形成されたものであることを示すことでした。

2章と3章では、各楽曲から得られるパーソナリティや思想形成のプロセスを分析し、4章において楽曲間の時間的連続性と両者の相互作用が与えた影響についての仮説を提唱しました。まとめると以下のように整理されます。

出発点:

  エミリー = 与える側、紬 = 受け取れない側という非対称関係

  エミリーは明確に人生観の種を持っている

過程:

  すれ違い・葛藤・思想の共有などの相互作用が、双方の内面に経験として蓄積

到達点:

  両者ともに経験の蓄積によって自己が形成されるという同一の思想モデルに到達

結論:

  この一致は偶然ではなく、非対称的関係から始まった相互作用の帰結である

 

以上のようにして、彼女たちはお互いに成長を遂げました。今後は私たちにさらなる未来の発展を見せてくれるでしょう。これに期待して、本稿を終わらせていただきたく思います。

が、本稿を終えるにあたり、折紙物語の中から敢えて触れていなかった一節についての所見を述べたいと思います。

 

※それは ありきたり

少し冷える午後

どこで聞いたか

語りましょうか

小さな物語を

(※『折紙物語』より引用)

 

このフレーズは、曲中でも唐突すぎてかなり浮いています。それまでの比喩的な表現の羅列から一転して、具体的な何らかの景色が映し出されたようです。このフレーズの解釈について考えていきましょう。

1:小さな物語とは

物語とは単なる出来事の連なりではなく、感情や心の動きが込められているものです。それは綿羽のような一つ一つの経験なのでしょうか。あるいは、綿羽を積み上げ、水、大地、太陽になる人生の過程そのものなのでしょうか。2番サビの最後の1節にて、小さな物語は今も紡がれていると述べられていますが、これはいずれの説とも筋が通ります。したがって、どちらというより、両方と考えるほうがより自然です。小さな出来事も、人生全体も、本質的には同じ、フラクタルであるという考えとも整合します。

 

2.ありきたりとは

文法的には、それとあるので前後の文脈から探すことが最も良いでしょう。となると、小さな物語か、少し冷える午後です。こちらもまた、両方を指していると考えることが自然です。いずれにしても、こんな些細なことだと強調することで、逆説的にそれが宝物であるというニュアンスを含ませ、この単語を何度も繰り返すことで、小さな瞬間は特別には見えないけれども、それぞれの人にとっては大きな意味を持つという、曲全体を支配する感覚を演出しています。

 

3.少し冷える午後とは

少し冷えると表現することで、これから話す小さな物語の持つ温かみが強調されています。綿羽というのは羽毛布団のように温もりの象徴です。しかしあえて、邪な読みと知りつつも一つ提唱したい説があり、それは少し冷える午後という瞬間が、人生のピークを過ぎた少し淋しい時間を暗に仄めかしているのではないか、ということです。

 

枠物語や回想譚、そのようなジャンルの創作物では、年長者のストーリーテラーが若者に自分の人生や体験を伝える、という構図がおなじみです。『タイタニック』のローズや、『こころ』の先生など、他にも挙げればキリがないでしょう。これらのジャンルの核心には、経験は伝えないと消える、だから次の世代に物語を渡すというように、単なる回想ではなく継承という概念がテーマに据えられています。まさに、エミリーや紬が至った、欠片や色や綿羽を蓄積し、お互いに影響しあって、それぞれの人生を作っていくというメッセージと同じです。

折紙物語で突然現れるこの叙景的なシーンは、アイドルとして大成し、エミリーと結婚した紬が、孫たちに囲まれながら自らの小さな物語を語っている、そんな未来の可能性を私たちに示唆してくれているのかもしれません🤡

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【2号機進捗】金具発注

金具類の発注をここしばらく進めていました。飛行機は恐ろしいほどの大量品種少量生産で、産業的にどうやっても利益率が低くなるというのは知識としては認識していましたが、今回金具類をリストアップして本当に心の底から理解しました。金具だけでおよそ70種類あり、しかもそれぞれがたかだか2個~4個ずつ作る用です。これらをわざわざ全部図面を書いて強度計算して重量を計算して、とんでもない重労働です。そして近い内に金具、というか金具になる予定の板やらアングルやらが届きます。そうしたら、図面を印刷して、切って貼って、ひたすらバンドソーで切り出す地獄が始まる予定です。戦々恐々としながら待っているところです。

 

 

で、まずは有限会社skylife様に発注していたエルロン用のヒンジとアングル、アイボルトが第一陣として届きました。

いわゆる米軍規格のmilヒンジです。アルミ製ヒンジには7075の押出材で作った超高強度のもの(MS20001)と、薄い5052をくるっと曲げてヒンジ形状にした汎用タイプ(MS20257)があります。あとは一応ステンレスの曲げヒンジもあります。

最初は高いけど一応押出タイプにしとくか・・・と思ってそれで強度計算もしていたのですが(安全率5ぐらいあった)、どうやら在庫がなく米国取り寄せになるそうだったので、MS20257に急遽変更しました。carbon dragonのエルロンヒンジもMS20257です。20257はもっと大きい機体になるとドアのヒンジとか、そういった非強度部材として使うことが推奨されていて、MS20001の方はガンガンに舵のヒンジに使えるそうです。スキッドとか主脚のヒンジにも使えるのかな?

7075→5052ヒンジへの変更で厚さが半分強、降伏強度が半分弱ですが、元々安全率が余りまくっていたので、計算し直したら耐えました。

 

 

こちらはアングル材です。サイズはいずれも3/4in=19mmの等辺で、厚さは薄いほうが1/16in=1.6mm、厚い方が1/8in=3.2mmです。薄いのはベニヤをアメリカから買った時についでで買った2024T3アングルです。ちなみに注文は1in=25.4mmの等辺でしたが、なぜか3/4が来ました。アメ公の野郎・・・

厚い方は今回注文した6061T6です。見た目は同じ感じですが、面圧強度と終極引張強度が3割ぐらい落ちます。ただ、降伏強度は1割減で済んでいて、お値段も遥かに安いため、実用上のコスパがとてもいいです。大体の自転車のフレームやアルミパーツはこの6061T6で作られています。ちょっと高いやつになると2014T4とか、7075T6とか、場合によってはスカンジウム合金とかです。

 

一応記事末尾にログも兼ねて必要金具リストと、発注先リストを全部貼っておきます。金具類だけで総額7万円程度になりそうです。ここにはまだ結合用のヒンジピンを含んでませんから、さらに+1万円ぐらいが予想されます。ある程度覚悟はしていて、予算的には6万円ぐらいを見積もっていたのですが、それでもなお金具ってこんなに高いのか・・・と途方にくれています。

 

ーーー金具リストーーー

    材質 厚さ 個数 長さmm 幅mm ボルト径① ①本数 ①長さ ボルト径② ②本数    
主翼 翌胴前マウント 2017 2 2 162 28 6 6 45 na na    
翌胴後ろマウント 2017 1.5 2 66 48 6 4 25        
前桁結合ブラケット 2017 3 16 165 18 6 44 45        
後ろ桁結合 2017 1.5 8 56 42 6 8 25 4 2    
フラップセット板 2017 1.5 4                  
ストラット金具 2017 1.5 4 180 18 6 12 45        
ラダーワイヤー受け U字金具、詳細選定済み、該当書類参照                
エルロンヒンジ milピアノヒンジ、押出7075、skylifeで注文 3 ft   3 60 25        
                         
                           
    材質 厚さ 個数 長さmm 幅mm ボルト径① ①本数 ①長さ ボルト径② ②本数    
ストラット受け 2017 1.5 4   18 10 4   6 2    
前脚受け前側アングル 6061 3 2 200 19 6 4 30        
前脚受け後ろ側プレート 2017 1.5 2   15 na na          
ラダーペダル・フック受け 2017 1.5 2     6 4 45 5 1 8 1
フック受け下 2017 1.5 1     na na          
スイングアーム 2017 3 2 150 150              
スイングブリッジアングル 6063 3 1 100 30*30 6 2          
アーム-ブリッジ連結アングル 6061 3 2 20 19 6 2          
縦パイプ受けアングル 6061 3 2 30 38 8 4 45        
サス受けアングル 6061 3 2 30   8 1 45        
後部縦パイプ受けアングル 2024 1.5 2 30 19 3 6 30        
テール結合アングル 2024 1.5 2 30 19 5 4 30 3 1    
  ワイヤー折返しpully受けチャネル 6063 3 1 50 30              
  サスピボットアイボルト アイ径8mm、uxcellのM10で観測済み、見逃したので要再調査            
  ホイールaxle クロモリ、メビー発注                  
  スイングピボットaxle クロモリ、メビー発注                  
                           
    材質 厚さ 個数 長さmm 幅mm ボルト径① ①本数 ①長さ ボルト径② ②本数    
上部胴体 各種ガセット(前結合ブラ兼) 2017 1.5       3 12 35        
  テール結合ブラケット 2017 1.5 2     3 3 35        
  翌胴マウント前,胴側 2017 2 2     3 2 35        
  翌胴マウント後ろ,胴側 2017 2 1     3 5 35        
  後部縦パイプ結合ブラケット 2017 1.5 4     3 4 25        
                           
                           
    材質 厚さ 個数 長さmm 幅mm ボルト径① ①本数 ①長さ ボルト径② ②本数    
テール 各種ガセット 2017 1.5       3 15 35        
  テール結合ブラケット 2017 1.5 4     3 2 35        
  水平ストラット受けアングル 6061 3 2 30 19 3 3 25        
  アイボルト 3本、AN42B-13の穴無し。内訳はラダー上ヒンジ1本、下ヒンジ2本          
  水平固定アングル 2024 1.5 2 29 19 3 4 35        
                           
    材質 厚さ 個数 長さmm 幅mm ボルト径① ①本数 ①長さ ボルト径② ②本数    
水平尾翼 前マウント 2017 1.5 2     5 3 30        
  後マウント兼ヒンジアングル 6061 3 1 20~40 38 5 2 30        
  ヒンジアングル 6061 3 2 30~40 38 5 4 30        
  ヒンジコの字材 6063R付 3 2   高20幅30 5 4 30        
  elv中央ヒンジプレート 2017 1.5 1     5 2 30        
  ストラット受け 2017 1.5 4     5 4 30        
                           
    材質 厚さ 個数 長さmm 幅mm ボルト径① ①本数 ①長さ ボルト径② ②本数    
ラダー 上ヒンジプレート 2017 1.5 2     3 2 25        
  上ヒンジ板受けアングル 6061 3 1 50 19 5 2 30        
  下ヒンジ(ホーン兼用) 2017 1.5 2     5 2 30        
                           
    材質 厚さ 個数 長さmm 幅mm ボルト径① ①本数 ①長さ ボルト径② ②本数    
操舵(船) ラダーペダル 2017 2 2     5 1 30        
  エルロンチューブブラケット 2017 1.5 2     3 2 35 5 1    
  エルチューブ受けアングル 2024 1.5 2 30   5 2 30        
  エルロンアームブラケット 2017 1.5 4     3 4 35        
  アームーチューブ結合板 2017 1.5 2     3 4 35        
  エルチューブ前チャネル 6063 3 1 高30幅30   3 1 35        
  エレベワイヤー受け 2017 1.5 2     3 3 35        
                           
                           
    材質 厚さ 個数 長さmm 幅mm ボルト径① ①本数 ①長さ ボルト径② ②本数    
操舵(主翼内) 翼根クランク 2017 2 2     5 2 70 3 4    
  結合部クランク 2017 2 2     5 2 70 3 4    
  クランクワイヤー受け板 2017 1.5 16     3 20 25        
  ワイヤー受けのブッシュ アルミ 1 12     OD5,ID3のアルミパイプ        
  スイベルマウントチャンネル 6063の50*30 3 4 50 20 3 8 35 3 4 ←2本目のM3はスイベル軸、OD5、ID3のアルミパイプをブッシュにする、この径のパイプはクランクのワイヤー受けにも使う
  スイベルUプレート スチール 1か0.5 4     5 4   OD5、ID3のアルミブッシュを自作
  エルロン上ホーン 2017 1.5 4     3 6 25        
  エルロン下ホーンアングル 6061 3 2 30 19 3 6 35        
  上ホーン台座アングル 6061 3 2 60 19 3 2 35

←穴は3つ、2個は下ホーンアングルと共通、後1個は離れた位置に止める

 

 

 

ーーー発注リストーーー

 

                発注総額
                66500
  必要数 商品番号 必要量   単価   発注単位 発注額
スカイライフ 2024 t1.5*19*19アングル 買わない 230 mm 0 円/ft 0 0
6061 t3 19*19アングル 53- L603418 620 mm 800 円/ft 2 1600
6061 t3 38*50アングル 53- L611202 460 mm 1500 円/ft 2 3000
ピアノヒンジ 58-MS20001P3 900 mm 10600 円/3ft 1 10600
AN42B-13A(穴無し) 不明 3 1830 円/本 3 5490
  ANナット 3/16,10-32 32-AN365-1032A 6 40 円/個 6 240
                 
                 
                0
ミスミ 2017 t1,5 500*500   2 7300 円/枚 2 14600
  2017 t2 400*200   1 3600 円/枚 1 3600
  2017 t3 400*165 スイング用 1 1800 円/枚 1 1800
  2017 t3 300*165 主桁ブラ用 1 1200 円/枚 1 1200
  6061Φ27.5   5 12000 円/5本 1 12000
  6063Φ12,ID10 尾翼スト,後縦棒,エルロンリンク 4500 mm 900 円/2000mm 3 2700
  6063Φ10,ID8 後縦棒面圧補強 201 mm 470 円/201mm 1 470
                0
  ボルト類 M3*35 100 1500   1 1500
    M3*25 130 1800   1 1800
    ワッシャー 2000 1500   1 1500
    ナイロンナットM3 220 2800   1 2800
    M5*30 40       0
    M5*70(クランク用) 4 結合ピンといっしょに買う  
    M6*40 100 1600   1 1600
    ナイロンナットM5 50   700   1 700
    ナイロンナットM6 100   1450   1 1450
    M10*35 10 420   1 420
    6063系           1600
    ワッシャー5           1000
    ワッシャー6           1200

 

『さかしまの言葉』を『君だけの欠片』のアンサーソングとして読む:感情表出の構造分析による考察

はい。タイトルを見ただけでなんとなく分かると思います。ここから先はただキャプションとして必要だから置いてあるだけの駄文ですので、物好きな方だけお読みください。

アイドルマスターミリオンライブに登場する白石紬の楽曲『さかしまの言葉』が同じくエミリー スチュアートの楽曲『君だけの欠片』に呼応しているという解釈をこじつけることに成功したので、こちらにまとめていきます。この議論は以下の前提を踏まえて行います。

 

・これらの楽曲がキャラクターの内面を抽象化して表現しているものとする

・各キャラクターの分析は曲内の情報が一般的に認知されている人格と矛盾しないことを確かめながら行う。ゲーム本編のやり取りやライブ演出などは一次情報たりうるが、議論の簡単のため別個に焦点をあてない。

・推論の結果はあくまでも、論理的に可能かもしれない感情的に納得できる範囲での解釈となる。

 

このレポートではまず、それぞれの曲を考察することで各キャラクターの内面及び楽曲内での対人関係について構造化し、『さかしまの言葉』が『君だけの欠片』に呼応する、もといエミリーに対しての内面の告白という図式を導きます。

 

 

―目次―

・『君だけの欠片』から読み解くエミリー スチュアート―

・さかしまの言葉から読み解く白石紬

・『さかしまの言葉』は応答たりうるか

・まとめ,おわりに

 

 

―『君だけの欠片』から読み解くエミリー スチュアート―

この曲からは、エミリーが君(友人?家族?恋人?)に対し、あなたの経験(=涙、迷い、痛み、悩み、心、時間=君だけの欠片)が全て集まって今の、そしてこれからのあなたを作っている、と教えてくれていることが読み取れます。欠片=人格を構成する要素ということになります。

一方で、エミリー自身が君との時間も自分の欠片になっている、ということを示唆しているフレーズがあります。

 

※道が分からなくっても 今を逃げたくなっても

あきらめないことの大切さを

君が教えてくれたから

ここまで頑張れたよ

※いくつもの欠片集め

いつかは叶えられる夢になる

期待 憧れ 希望がきらめく

私たちの未来へ

(※君だけの欠片 より引用)

君が教えてくれたことのおかげで頑張れた、欠片を集めた先にある私たちの未来、このような表現がそれに当たります。

さらに、私との時間も君だけの欠片になる、という彼女のメッセージも読み取ることが出来ます。涙を流す君に対して、手を繋いでくれたり、悩んでいる君に対して、頼りないけど力になりたいと願っているためです。

このようにして、曲中でのエミリーは手を繋いでくれたり、話を聞いてくれたりと、君に対していろいろな経験を与える供与体であると同時に、自身が非常に包容力のある受容体としての象徴となっています。ここから、あなたは私の欠片であり、私もあなたの欠片になりたいという彼女の積極的でストレートな好意が確認出来ます。

ここまでは歌詞の構造から推論された帰結です。次に『さかしまの言葉』について考察しましょう。

 

―『さかしまの言葉』から読み解く白石紬―

この曲の情報から白石紬の人格を分析するために最も直接的に表現してくれている部分の歌詞を引用します。他にも色々細かい考察は出来ますが、曲自体の考察というより彼女の内面を抽出したいだけなので今回は省きます。

※素直になれない

なぜ唇はつむぐの さかしまの言葉

意地悪なのは あなたなんかじゃない

孤独を感じる歪な心

(※さかしまの言葉 より引用)

素直な好意(便宜上好意と表現するが、総じて相手に対するポジティブな感情)は彼女の中に存在している。その本心を伝えたいにも関わらず、何らかの要因によって実際に出力されるのはさかしまの言葉であり、そのことに自己嫌悪を感じています。エミリーが、「あなたの悩みを聞かせて!何でも受け入れるよ!」というように、想いをそのまま言語化、行動化出来ている点とはまるで対照的です。一方で、紬自身は相手の感情を認識する感性を備えています。意地悪なのはあなたなんかじゃないという考えや、優しさに胸を貫かれる、ありがとうと伝えたい、そういった描写がこれを示しています。

このようにして、曲中では彼女の素直な内面と対照的な、とある相手に向けられる不本意な態度が強調されています。

そしてその相手とは誰なのでしょうか。

彼女が素直な心を表現出来ない相手の特徴は、

・人生を変えるほどの作用をもたらす

・彼女が尊敬できる

・彼女に対して好意的な感情を向けている

・彼女が素直に甘えられない

と言えます。これらを補強するテクストは曲中に点在しています。あなたは未来すら変えてしまう、あなたなしでは過去も未来もない、大きな背中と感じている、優しさを受け取ってはいるが、底から浮かんできた気持ちを伝える機会を何度も逃してしまう。これらの描写がそれにあたります。

なぜ、このような条件を持つ相手に対して彼女は素直になれないのでしょうか。ゆるがない大きな背中、敵わなくてくやしい。この一文だけで、彼女は相手を尊敬しているにも関わらず、一方的に弱い立場になりたくないという感情が見えてきます。しかし、外面はともかく、実際的に彼女はその相手にまだ及ばないことを理解しています。自らを掬われた金魚と形容していますが、お祭りの屋台を思い出してもらえば分かる通り、金魚というのは掬われることに抗えない受動的な存在を象徴しています。彼女は素直になればなるほど、自分が掬われる側である弱い存在であることが相手に露呈すると感じてしまいます。その結果が、相手の前で弱くなる自分を受け入れられずに出力されてしまったさかしまの言葉なのです。意地悪なのはあなたなんかじゃない、と感じている時点で、彼女は自らの心の歪みについて自覚しているにも関わらず、分かっているのにやめられないという状態に陥っています。よって彼女のさかしまの言葉は、自己像を守る、維持するための反転とも考えることが出来ます。

要約すると次のような構造です。

対等でありたい⇒現状まだあなたには及ばない⇒素直になることはこの敗北を認めることと感じている⇒相手の前で弱くなる自分を受け入れきれない⇒さかしまの言葉

 

ここまで抽出した情報をまとめると、

エミリー:素直な心で善意や好意の授受が出来る

紬:素直な心は持っているが、ある人に対しては自尊心を守るために表現出来ない

というキャラクター像が見えてきました。

 

 

―『さかしまの言葉』は応答たりうるか―

ここで仮説を明確にします。

もし『君だけの欠片』が紬に向けられているとするならば、『さかしまの言葉』はその好意に対する彼女の返答として読むことが可能ではないのか。

エミリーは他者を包み込むようにして人間関係を主としてプラス方面に構築、拡張します。歪な心を自覚する紬にとって、この醇乎として醇なるエミリーの善意は十分尊敬に値する純粋さであり、ひるがえって葛藤と自己否定の要因となってしまいます。そして自己像の崩壊を予期した時、防衛として反転した言葉を発してしまいます。先に挙げた4つの特徴(≒条件とも取れるかもしれない)がエミリー スチュアートを代入することで自然に収束するのです。

『君だけの欠片』が提示した“あなたはそのままで価値がある”というメッセージに対し、『さかしまの言葉』は “それを受け入れるには、私はまだ素直になりきれない”という葛藤の只中で終わっています。白石紬がこの曲を歌う時、そんなに素直になれないと戸惑いながらも、内面ではエミリーを想っていることを告白しているのです。

 

―まとめ・おわりに―

エミリーが差し出した欠片を、紬が胸の奥で握りしめながらも、まだうまく言葉にできずにいる。この2つの曲だけで、好意を送り続け、照れ隠しが帰って来る二人の美しい関係性を見出すことが出来ました。本当に、ありがとうございます🤡

さて、そして彼女たちが相互作用し合った結果、時間軸の先でどのようなことがあったのかを、彼女たちの相似性、相同性というテーマを組み込んだうえで絵羽模様、折紙物語の両曲から読み解いていくことを今後の研究の展望としたい所存です。本日はお付き合いいただきまして、ありがとうございました。