Dボックスにトルクを導入するバルクヘッドの図面を書くとき、結合金具と干渉するか分からないので先にそっちから決めるかということで設計しました。結局片面の金具で済んだのでバルクは干渉しなかったとさ
ネット上で唯一(国内サイトで)見つけることが出来たジュラルミンプレートがミスミにあったのですが、2017の3mm厚が最薄、2024は4mmだったので2017に。2024の2mmがあれば多分もう少し軽くは出来た感じがしますがここは日本なので仕方がないです。熱処理がされてあるかページからは不明だったのですが、問い合わせたところT351で調質済みとのことだったので安心しました。してなかったら同じくミスミのS50Cの調質材を買うか、翼胴結合用2024T3アングルと同時にアメリカから輸入するところでした。ここの設計作業は、計算に関してはチャチャッとやればすぐ終わるのですが、材料を探す工程で数日潰れました。とにかく日本は調質済のジュラルミンや炭素鋼が少ない!
6063の型材なら日本にも腐るほどあるので、いっそのこと熱処理用の炉を作ろうかとも一瞬思いました。容体化処理に必要な温度が500℃ぐらいで、ちょうどピザは500℃で焼くと美味しくなるらしく、500℃まで見れる温度計もアマゾンとかで普通にあったところまでは良かったのですが、温度管理がかなりシビアで低すぎてもダメ、高すぎてもダメみたいで、ちゃちい設備じゃなかなか厳しそう。
今回の設計の落とし穴として、ストラットをハーフスパン5.4mに対して3mの位置に生やすことで上下方向のせん断と曲げを結構小さくしたかったのですが、かえってT曲げのフランジ軸力への寄与が非常に大きくなってしまいました。
設計運動速度でのCLmax引き起こし(3G)
可能な限り失速速度を小さくするコンセプトなので高Cl近辺でもビュンビュン飛ばすわけで、当然前縁の負圧の影響が無視出来無いのですが、今までN方向に対してT方向が相対的に小さくなる片持ちの人力飛行機やラジコンしかやって来なかったからか、まさか前後荷重がこんなにあったとは微塵も気付かず、この金具のサイジングをするまでT曲げモーメントを計算していませんでした。ただ奇跡的に主桁の再設計までは行かなくてもギリギリ大丈夫な大きさだったので、何とかセーフということで猛省。
飛行力学の実際でエルロンサイジングの方針として幅を広く、弦長を短くと言うのがあったので(そもそもは舵の効きと重さの話に関して)、テストピースからさらに5%後ろにして80%にヒンジラインを置いていたおかげです。勝手に内藤先生のご加護を感じています